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物性物理学:流体力学的電子のポアズイユ流れの可視化
Nature 576, 7785 doi: 10.1038/s41586-019-1788-9
流体力学は一般に、流体の流れを記述するものだが、粒子間相互作用が支配的な場合には、電子などの基本粒子にも適用できると予想されている。最近、実験によって電子の流体力学のさまざまな側面が明らかにされているが、流体力学的電子の基本的な空間構造、すなわちポアズイユ流れのプロファイルはまだ得られていない。今回我々は、電子流体のポアズイユ流れを直接画像化するとともに、バリスティックな流れからポアズイユ流れへの変化を可視化したことを報告する。我々は、走査型カーボンナノチューブ単一電子トランジスターを用いて、高移動度グラフェンチャネルを通る電子流のホール電圧を画像化した。また、チャネルの横断方向のホール電場プロファイルが、バリスティックな流れと流体力学的な流れとを区別する重要な物理量であることが見いだされた。さらに、低温における平坦なバリスティック電場プロファイルから、ポアズイユ流れの特徴である、高温における放物線状の電場プロファイルへの遷移も画像化された。画像化されたプロファイルの曲率はボルツマン計算によって定性的に再現されるので、これによって電子流領域を特徴付ける「相図」の作成が可能となる。今回の研究結果は、固体におけるポアズイユ流れを直接確認し、実空間で相互作用する電子の豊かな物理の探索を可能にするものである。

