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社会科学:科学、起業、安全の領域にわたって失敗のダイナミクスを定量化する

Nature 575, 7781 doi: 10.1038/s41586-019-1725-y

人間は何度も失敗を繰り返した後に物事を達成することが多いが、失敗のダイナミクスを支配するメカニズムについてはほとんど知られていない。今回我々は、革新、ヒューマンダイナミクスおよび学習に関連する過去の研究に基づき、成功する将来の試みがどのように過去の努力を土台にしているかを模擬する単純な1パラメーターモデルを考案した。このモデルを解析的に解いた結果、失敗のダイナミクスは相転移によって進歩または停滞の領域に分けられることが示唆され、臨界閾値付近では、類似する特性および学習戦略を共有する行為者たちは、失敗の後に根本的に異なる結果を経験する場合があることが予測された。臨界点より上では、行為者は徐々に改良していくやり方で成功へと体系的に向かう一方、臨界点より下では、手当たり次第に機会を探るが改善のパターンは見られない。このモデルから、実験による検証が可能な予測がいくつか得られ、最終的に成功する人と成功しない人は、最初は同じように見えるかもしれないが、次に行われるそれぞれの試みの効率および質という点で根本的に異なる失敗のダイナミクスによって特徴付けられることが示された。我々は、3つの異なる領域から大規模なデータを収集し、研究資金を賄うために米国立衛生研究所(NIH)の助成金を得ようとする研究者、新規事業から首尾よく脱しようとする革新者、そして暴力的な攻撃で人命を奪おうとするテロ組織によって繰り返される試みを追跡した。その結果、これら3つの領域全てで広く一貫した実験的裏付けが得られ、我々のモデルによるそれぞれの予測が体系的に実証された。まとめると我々の知見は、最終的な成功または失敗につながるであろう失敗のダイナミクスの特定を可能にする、検出可能ではあるがこれまで知られていなかった初期のシグナルを明らかにしている。失敗は遍在的なものであって、それを理解するための定量的な手法が不足していることを考えると、今回の結果は、失敗の原因となる複雑なダイナミクスをより深く理解するための第一歩となる。

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