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実験物理学:電子–陽子散乱実験から得られた小さな陽子電荷半径
Nature 575, 7781 doi: 10.1038/s41586-019-1721-2
電子–陽子弾性散乱(e–p)と水素原子の分光法は、陽子電荷半径rpの決定に従来から使われている2つの方法である。2010年に、ミューオン水素原子を使った新しい方法により、それまでの結果と比べてかなり違う値が見いだされ、この不一致は「陽子半径問題」として知られるようになった。さまざまな実験的・理論的な取り組みにもかかわらず、この問題はまだ解決されていない。実際には、通常の水素に対して行われた最新の2つの分光測定結果にも違いがある。今回我々は、この違いが見つかった後に確立された高精度のe–p実験である、ジェファーソン研究所の陽子電荷半径実験(PRad)について報告する。我々は、磁気分光計を使わない方法と窓なし水素ガス標的を用いることで、これまでのe–p実験にあったいくつかの限界を克服し、これによって非常に小さな前方散乱角での測定が可能になった。今回の結果は、rp = 0.831 ± 0.007stat ± 0.012systフェムトメートルで、最新の高精度e–p測定の結果より小さく、全てのe–p実験結果の平均より2.7標準偏差小さい。今回我々が測定したより小さなrpは、以前の2つのミューオン水素実験で見いだされた値を裏付けている。今回の知見はさらに、物理学において最も正確に評価されている基礎定数の1つであるリュードベリ定数の改定値(2019年に発表された)とも一致する。

