Article

生体医工学:湿組織間および湿組織とデバイスの接着用の乾燥両面テープ

Nature 575, 7781 doi: 10.1038/s41586-019-1710-5

2つの乾燥表面を接触させると、水素結合、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用などの分子間力を通して瞬時に接着し得る。しかし、生体組織などの湿潤表面が関与すると、水が2つの表面を構成する分子を引き離して相互作用を妨げるため、そうした瞬間接着は困難になる。組織接着剤は、縫合やステープル留めに勝る利点を持ち得るが、既存の液体組織接着剤やヒドロゲル組織接着剤には、接着力が弱い、生体適合性が低い、組織との機械的適合性が低い、接着形成が遅いなどの欠点がある。今回我々は、生体高分子(ゼラチンやキトサン)と、N-ヒドロスクシンイミドエステルをグラフトした架橋ポリアクリル酸を組み合わせて作製した乾燥両面テープ(DST)式の代替組織接着剤を提案する。このDSTの接着機構は、組織表面からの界面水の除去に基づくため、組織表面との一時的架橋が迅速に起こる。その後の組織表面のアミン基との共有結合架橋によって、DSTの接着安定性と接着強度がさらに向上する。in vitroマウスモデル、in vivoラットモデル、ex vivoブタモデルにおいて、DSTがさまざまな動的湿組織間およびそれと人工固体の間に強力な接着を5秒以内に実現できることが示された。DSTは、組織接着剤や組織シーラントとして、あるいはウエアラブルデバイスや植え込み可能なデバイスを湿組織と接着させる際に役立つ可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度