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がんゲノミクス:正常な大腸上皮細胞における体細胞変異の全体像
Nature 574, 7779 doi: 10.1038/s41586-019-1672-7
大腸の腺腫–がん連関は、体細胞での連続的な遺伝的変化および、その結果として起こる発がんにつながるクローン増殖を理解する上で、基本的な枠組みを提供してきた。しかし、大腸での最初期の腫瘍性変化(形態的に正常な組織でも起こる可能性がある)についての理解は、ほとんどのがんのタイプと同様に、比較的限られている。今回我々は、全ゲノム塩基配列解読を用いて、42人の被験者から提供された数百の正常な陰窩を解析した。その結果、複数の変異過程のシグネチャーが明らかになった。シグネチャーのいくつかは遍在性で連続的だったが、一部の被験者や一部の陰窩、あるいは一生のうちの特定の時期にしか見られないシグネチャーもあった。ドライバーと思われる変異が中年被験者の正常な大腸陰窩の約1%に存在することから、腺腫やがんは、形態的に正常な大腸上皮の至る所で起こっている腫瘍性変化のまれな結果であることが示される。大腸がんでは、正常細胞に比べて変異負荷がかなり増加していた。正常な大腸細胞の塩基配列解読から、がんのゲノム進化とクローン進化についての定量的な手掛かりが得られた。

