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神経科学:微生物相がニューロン機能と恐怖消去学習を調節する

Nature 574, 7779 doi: 10.1038/s41586-019-1644-y

多細胞生物は、ウイルス、細菌、菌類、寄生生物の複雑なコンソーシアム(微生物相と総称される)と共に進化してきた。哺乳類では、微生物相の組成の変化は多くの生理学的過程(発生、代謝、免疫細胞機能など)に影響を及ぼすことがあり、さまざまな疾患への感受性と関連付けられている。微生物相の変化はまた、例えば社会的活動、ストレス、不安関連応答など、多様な神経精神疾患と結び付けられている宿主行動も変えることができる。しかし、微生物相がニューロン活動や宿主行動に影響を及ぼす機構については、まだほとんど分かっていない。今回我々は、抗生物質処理した成体マウスあるいは無菌の成体マウスにおいて、微生物相の操作が恐怖消去学習の著しい障害につながることを示す。脳の内側前頭前皮質の単一核RNA塩基配列解読からは、興奮性ニューロン、グリア、他の細胞タイプで遺伝子発現が著しく変化していることが明らかになった。経頭蓋二光子画像化法では、成体マウスで微生物相を操作した後に生じる消去学習の障害が、学習に関連したシナプス後樹状突起棘の再構築不全と、内側前頭前皮質での手掛かりを符号化するニューロンの活動低下に関係していることが示された。また、微生物相を選択的に再定着させる実験からは、微生物相由来のシグナルが成体期の正常な消去学習を回復させることができるのは、新生仔期の限られた発生期間に再定着を行った場合のみであることが分かった。さらに、不偏メタボローム解析では、無菌マウスで著しく下方調節されていて、ヒトやマウスモデルで精神神経疾患との関連が報告されている4つの代謝物が明らかになった。これは、微生物相由来の化合物が、脳機能や行動に直接影響を与え得ることを示唆している。合わせるとこれらのデータは、マウスでの恐怖消去学習には、生後初期の神経発生期と成体期の両方で微生物相由来のシグナルが必要であることを示しており、これは食餌、感染、生活様式が脳の健康やそれに続く精神神経疾患への感受性にどのように影響を及ぼすかについての我々の理解に関わってくる。

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