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神経科学:手綱核のTCF7L2はニコチン嗜癖と糖尿病を結び付ける

Nature 574, 7778 doi: 10.1038/s41586-019-1653-x

糖尿病は非喫煙者よりも喫煙者の方にずっと多く見られるが、この病気にかかりやすくなる機序は知られていない。今回我々は、糖尿病関連遺伝子Tcf7l2が齧歯類の脳の内側手綱(mHb)領域で密に発現しており、そこでニコチン性アセチルコリン受容体の機能を調節していることを明らかにした。マウスとラットのmHbでTCF7L2シグナル伝達を阻害すると、ニコチン摂取量が増加する。ニコチンは、TCF7L2に依存してmHbを刺激することにより血糖レベルを上昇させる。ウイルス追跡実験により、mHbから膵臓への多シナプス性の接続が明らかになり、ニコチン摂取経験のある野生型ラットでは、グルカゴンとインスリンの循環血中レベルが上昇していて、糖尿病に似た血糖恒常性の調節不全が見られた。これとは対照的に、Tcf7l2変異ラットは、ニコチンのこのような作用に抵抗性を示す。これらの知見から、ニコチンには手綱核–膵臓軸に対する刺激作用があって、これがニコチンの嗜癖性と糖尿病促進作用を結び付けており、TCF7L2はこの刺激作用を調節していることが示唆された。

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