Letter

ナノスケール材料:炭酸カルシウムの形状適応性前駆体としてのイオン性オリゴマーを架橋する

Nature 574, 7778 doi: 10.1038/s41586-019-1645-x

無機材料は、建築、光学デバイス、機械工学の分野や、生体材料としてなど、社会で重要な役割を果たしている。しかし、無機材料の製造は古典的な結晶化によって制限されており、そうした結晶化では連続構造を持つモノリスではなく粉末が生成されることが多い。無機材料の構築を改善するために、前核生成クラスター、高密度液滴、ポリマー誘起液体前駆体相、ナノ粒子などの、非古典的結晶化を可能にする数種の前駆体が提示されているが、こうした前駆体のモノリス作製への大規模適用は、入手可能性や実用面での考慮事項によって制限されている。今回我々は、モノマーやオリゴマーの架橋によって製造できるポリマー材料の処理・加工可能性に着想を得て、イオン性オリゴマーの架橋による連続構造無機材料の構築を実証したことを報告する。我々は、炭酸カルシウムをモデルとして用いて、分子量制御可能なオリゴマー(CaCO3)nを大量に得た。この際、トリエチルアミンがキャッピング剤として機能することでオリゴマーを安定化させる。トリエチルアミンを除去すると(CaCO3)nオリゴマーの架橋が開始されるため、純粋なモノリス型炭酸カルシウムはもとより、内部構造がした単結晶も迅速に構築される。オリゴマー前駆体は流体のようにふるまうため、容易に処理・加工したり成型したりすることができ、複雑な構造の材料や形態可変の材料も作製できる。今回の材料構築戦略は、古典的な無機化学と高分子化学の融合に由来するものであり、材料の大量製造と同じ架橋過程を用いている。

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