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植物科学:イネいもち病菌の膨圧を原動力とする植物感染はセンサーキナーゼの1つによって制御される

Nature 574, 7778 doi: 10.1038/s41586-019-1637-x

イネいもち病菌(Magnaporthe oryzae)は、圧力を発生する特殊な感染細胞(付着器と呼ばれる)を使って葉のクチクラ層を物理的に破壊することにより、宿主植物へと侵入する。膨圧は、セプチンを介した細胞骨格の再編成と硬い貫通菌糸のアクチンに依存して起こる突出によって、非常に大きな侵襲力としてクチクラに加えられる。しかし、付着器を介した植物感染の際に膨圧の発生を調節している分子機構についてはほとんど解明されていない。今回我々は、膨圧を感知するヒスチジン–アスパラギン酸キナーゼであるSln1によって、付着器は膨圧が臨界閾値に達したことを感知でき、これによって宿主への侵入が容易になることを明らかにした。Sln1センサーは、圧力に依存して付着器の小孔に局在することが分かり、これは植物感染の数学的モデルによる予測と一致する。Δsln1変異体では、細胞内付着器に過剰な膨圧が生じ、過度にメラニン化されていて機能しない付着器が形成されて、葉への感染に必要なセプチンと極性決定因子の組織化が起こらない。sln1は、プロテインキナーゼAによるcAMP依存性シグナル伝達の調節因子として、プロテインキナーゼC(Pkc)の胞壁完全性維持経路と同時に作用する。Pkc1がNADPHオキシダーゼの調節因子NoxRをリン酸化し、これらのシグナル伝達経路がまとまって付着器の膨圧を調整して侵襲力の発生を誘導し、いもち病を引き起こす。

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