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化学:平面六角形型遷移金属錯体

Nature 574, 7778 doi: 10.1038/s41586-019-1616-2

遷移金属錯体は、物理科学、生物科学において広く用いられている。また、そうした錯体は、触媒反応、合成、材料科学、光物理学、生物無機化学において、重要な役割を果たしている。遷移金属錯体に関する理解は、その三次元形状が特性と反応性に影響を及ぼすというアルフレート・ヴェルナーの認識に端を発しており、現在では、形状と電子構造の本質的関係が分子軌道理論によってしっかり裏付けられている。この分野が100年以上進歩してきたにもかかわらず、遷移金属錯体の幾何形状は、よく理解された数例に限られている。六配位遷移金属の原型的な幾何形状は八面体型と三角柱型であり、理想的な結合角や結合長からずれることはよくあるが、別の原型的形状をとることは極めてまれである。平面六角形配位環境は知られているが、凝縮金属相、配位高分子の六角形細孔、2個以上の遷移金属が近接して存在するクラスターに限られている。[Ni(PtBu)6]は平面六角形型であると考えられていたが、分子軌道解析によって、この錯体は平面三角形型の16電子種として最もうまく説明されることが示唆された。今回我々は、6つの配位子が中心遷移金属と平面六角形型の結合を形成する単純な配位錯体を、単離して構造評価したことを報告する。この錯体は、パラジウム中心原子が3つのヒドリド配位子と3つのマグネシウム系配位子で囲まれた構造をとる。今回の知見は、遷移金属錯体の新たな設計方針をもたらし、いくつかの科学分野に影響を及ぼす可能性がある。

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