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がん治療:「薬剤再発見プロトコル」は既存の抗がん剤の使用範囲拡大を容易にする

Nature 574, 7776 doi: 10.1038/s41586-019-1600-x

腫瘍の大規模な遺伝的プロファイリングを行うと、すでに承認されている抗がん剤が使用可能と思われる、標的となりそうな分子バリアントが見つかることがある。しかし、このようなバリアントを持つ患者に抗がん剤を適応外使用した場合には、この標的治療の成功や失敗は体系立てて収集されたり共有したりされない。そこで我々は、「薬剤再発見プロトコル」という、がんの適応的精密医療の治験を開始した。その目的は、腫瘍の型や分子バリアントが明らかになっていて、抗がん剤の適応外治療を受けている患者のコホートで、何らかの変化の兆しを示すシグナルを見つけることである。治験に参加できるのは、標準治療をやり尽くした、または断った患者で、腫瘍には標的となる可能性があるバリアントがあるが、このバリアントに対して認可された抗がん剤はない場合である。本論文では、治療を受けた215人の患者(標的治療を受けた患者136人、免疫治療を受けた患者79人)のうちの34%に臨床効果(完全奏功あるいは部分的奏功、もしくは病状が16週間以上安定と定義)が見られたことを明らかにする。臨床効果の全持続期間の中央値は9か月(95%信頼区間8〜11か月)で、26人の患者はデータ収集終了時点でも臨床効果が継続中であった。ニボルマブを投与されて効果があったマイクロサテライト不安定性腫瘍患者コホート(臨床効果が見られた割合:63%)と、変異荷重が比較的低く、免疫治療では限定的な臨床効果しか得られなかった大腸がん患者コホートが見つかったことは、この薬剤再発見プロトコルの持つ可能性を明確に示している。薬剤再発見プロトコルは、がんの希少なサブグループに対し既存の承認薬の適応外投与を範囲を確定して使用することを容易にし、このようなサブグループでの活性を示す早期シグナルを明らかにして、抗がん剤の適応外使用に関する新たな手掛かりの臨床転用を加速するものである。これは、今後の治療での意思決定に役立たせるための公開リポジトリの創設につながる。

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