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物性物理学:酸素17の核磁気共鳴から見たSr2RuO4における超伝導秩序パラメーターの制約
Nature 574, 7776 doi: 10.1038/s41586-019-1596-2
物質における相は、特に非従来型の超伝導とその起源となる相互作用に関して言えば、通常は自発的な対称性の破れによって決定される。この点において、準二次元の強相関ペロブスカイト構造を持つSr2RuO4の超伝導状態は、超流動体3He–A相に対応する、固体における唯一の類似系として、全ての電子運動量に対しスピン空間中で単一方向を示し、時間反転対称性を破る奇パリティ秩序パラメーターを持つと考えられてきた。この特性は、面内の一軸圧力下においてSr2RuO4結晶から予想される転移の「分離」が探索された結果、そのような分離を示すいかなる証拠も見いだせていなことから、最近疑問が投げ掛けられている。一方で、単一の転移温度は大幅に上昇し、ピークを示すことが観測されていた。今回我々は、電子のスピン自由度との超微細結合を介して秩序パラメーターに対して直接的に敏感となる酸素17の核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、Sr2RuO4の超伝導状態とその一軸ひずみ下での増強を調べた。その結果、全てのひずみ下で、転移温度以下でナイトシフトが減少するのが観測された。これは、超伝導状態でスピン偏極が減少することと一致する。ひずみを加えていない試料では、我々の結果は、ナイトシフトに変化がないと報告された以前の一連のNMR研究や、カイラルp波状態の秩序パラメーターが最も有力であるとした理論的解釈とは矛盾する。Sr2RuO4は極めてクリーンな層状ペロブスカイトであり、その超伝導は強相関フェルミ液体に基づき発現する。今回の研究結果は、この典型的な系における秩序パラメーターの対称性に強い制約を課している。

