エネルギー科学:高強度照明下で本質的に安定な有機太陽電池
Nature 573, 7774 doi: 10.1038/s41586-019-1544-1
有機太陽電池は、特にその柔軟性と半透明性という独特な可能性を利用する用途向けでは、今や商業的に実現可能な効率に達しつつある。しかし、これまで報告された中で最も安定なデバイスでさえわずか数年で劣化してしまうことから、その信頼性は依然として大きな懸念事項である。このため、動作寿命の短さは、弱く結合した有機材料を用いて作製される太陽電池デバイスの本質的な欠点であると考えられるようになった。この考えは、数百万時間の寿命を達成できる有機発光デバイスが急成長して受け入れられているにもかかわらず、根強く残っている。今回我々は、熱蒸着法で作製した極めて安定な種類の単一接合有機太陽電池について調べた。我々は、パッケージ化した太陽電池を、37 Sunまでの強度の白色光照明に曝露することによって経年劣化過程を加速させた。その結果、この電池は、68日間を超えて曝露した後も、初期効率の87%を超える効率を維持した。劣化速度は強度に対して超線形的に増大しており、外挿した固有寿命T80(電力変換効率が初期値からその80%に下がるまでにかかる時間)は、4.9 × 107時間を超えていた。これは、屋外における2万7000年に相当する。さらに我々は、第二の有機太陽電池群に20 Sunの紫外線(中心波長365 nm)を848時間照射した。この線量を屋外で累積するには1.7 × 104時間(9.3年)かかる。この曝露試験期間中、効率損失は見られなかった。総括すると、我々は、不活性雰囲気中でパッケージ化された有機太陽電池は極めて高い安定性を示す可能性があり、実用的なエネルギー生成技術として将来の利用が期待できることを見いだしている。

