Letter

量子物理学:多体局在転移における量子臨界挙動

Nature 573, 7774 doi: 10.1038/s41586-019-1527-2

相転移は、系の臨界点で現れる構成成分の集団ゆらぎによって駆動される。この機構は、平衡にある古典系や量子系に対して広範に調べられており、その臨界挙動は相転移の一般理論で記述される。しかし最近、平衡から外れた量子系で根本的に異なる相転移が発見されていて、こうした相転移はこの記述に従わない臨界挙動を示す場合があり、よく分かっていない。多体局在(MBL)転移はその典型的な例であり、孤立した量子多体系でその乱れが臨界値を超えて大きくなると、その系の熱化が破綻することを示している。MBL系の量子臨界挙動を特徴付けるには、空間と時間にわたってそのエンタングルメントを調べる必要があるが、量子状態を準備し、系を孤立させるのに必要な条件が厳しいため、実験的に困難であることが立証されている。今回我々は、乱れたボース–ハバード系のMLB転移において量子臨界挙動を観測し、その多点量子相関を通してそのエンタングルメントを特徴付けた。我々は、この系全体の異常な拡散輸送の開始を伴う強い相関の出現を観測し、系サイズへの相関の依存性を測定して、相関の臨界性を確認した。この相関は量子臨界領域において高次にまで広がっており、系全体に広がる多体共鳴の疎なネットワークを通して形成されるように思われる。今回の結果は、この転移の巨視的現象論とこの系の量子相関の微視的構造を結び付けるものであり、非平衡系の臨界性と普遍性の理解に向けた重要な一歩となる。

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