Article

分子生物学:イントロンとエキソンの明確化とバックスプライシングのための統一的機構

Nature 573, 7774 doi: 10.1038/s41586-019-1523-6

エキソンの明確化とバックスプライシングの分子機構は、mRNA前駆体のスプライシングにおける重要な問題だが、まだ解明されていない。今回我々は、酵母の、イントロン上に組み立てられたスプライソソームE複合体のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告し、スプライシングサイクル中の最初期の事象、すなわちmRNA前駆体をスプライシングへと向かわせる事象の概要を明らかにする。E複合体の構造から、同じスプライソソームが1個のエキソンを覆うように組み立てられること、またこのスプライソソームが変化して1個のイントロン全体にわたるように広がってカノニカルな直鎖スプライシングが起こるようになる(典型的なのは短いエキソンの場合)、もしくはバックスプライシングを触媒して環状RNAを生成させる(長いエキソンの場合)のどちらかに進むことが分かった。このモデルは、大きさが中程度の酵母のエキソンEFM5HMRA1上に組み立てられたE複合体が、エキソンが十分に長い際には環状RNAを作る方向に進むという実験結果によって裏付けられた。この単純なモデルは、あらゆる真核生物で見られる、同一のスプライソソームを介したイントロン明確化、エキソン明確化、バックスプライシングを統合的に説明でき、これらの過程の機構や調節を詳しく解明するために他のさまざまな系で実験を行う際のヒントとなるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度