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分子生物学:ヒストン標識H3K36me2はDNMT3Aを動員し、遺伝子間DNAメチル化状況を作り上げる

Nature 573, 7773 doi: 10.1038/s41586-019-1534-3

DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)やDNMT3A、DNMT3BをはじめとしたDNA中のCpGメチル化を触媒する酵素は、哺乳類の組織の発生や恒常性に不可欠である。また、これらの酵素のヒトの発達障害やがんとの関連も示唆されており、細胞運命の指定や維持にDNAメチル化が重要な役割を持つことの裏付けとなっている。これまでの研究で、ヒストンの翻訳後修飾は、プロモーターや活発に転写されている遺伝子本体での、DNAメチルトランスフェラーゼ局在化とDNAメチル化のパターンの指定に関わることが示唆されている。しかし、遺伝子間のDNAメチル化の確立と維持を制御する機構については、まだほとんど分かっていない。Tatton–Brown–Rahman症候群(TBRS)は、DNMT3Aの生殖系列変異によって定義付けられる小児期の過成長疾患である。TBRSの臨床的特徴は、ソトス症候群[ヒストンH3K36のジメチル化(H3K36me2)を触媒するヒストンメチルトランスフェラーゼをコードするNSD1のハプロ不全により引き起こされる]と共通していることから、これらの2つの疾患の間には機構的な関連があることが示唆される。今回我々は、NSD1を介したH3K36me2が、遺伝子間領域におけるDNMT3Aの動員とDNAメチル化の維持に必要であることを報告する。ゲノム規模解析からは、DNMT3Aの結合と活性が、ユークロマチンの非コード領域でH3K36me2と共局在していることが分かった。マウスの細胞でNsd1とそのパラログNsd2を遺伝的に除去すると、DNMT3AはH3K36me3修飾された遺伝子本体へ再分配され、遺伝子間DNAのメチル化が減少した。さらに、ソトス症候群やNSD1変異型腫瘍の患者の血液試料でも、遺伝子間DNAの低メチル化が認められた。DNMT3AのPWWPドメインは、in vitroではH3K36me2とH3K36me3の両方を認識し、H3K36me2に対してより高い結合親和性を示すが、TBRS由来のミスセンス変異により失われた。以上より今回の研究で、異常な遺伝子間CpGメチル化とヒトの腫瘍や発生における過成長とを結び付けるトランス作用性のクロマチン調節経路が明らかになった。

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