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微生物学:サルモネラ持続生残菌は腸において抗生物質耐性プラスミドの拡散を促進する

Nature 573, 7773 doi: 10.1038/s41586-019-1521-8

変異や、耐性プラスミドのような遺伝物質の獲得による抗生物質耐性菌の出現は、公衆衛生における重大な問題である。持続生残菌は、その生理学的性質を可逆的に適応させて抗生物質から生き延びる細菌亜集団であり、抗生物質耐性の変異型細菌の出現を促進することがある。我々は、持続生残菌が耐性プラスミドの拡散も促進できるかどうか調べた。変異とは異なり、耐性プラスミドが伝達されるには、ドナーとレシピエントの両方の細菌株が共存している必要がある。実験には、通性細胞内腸内病原菌であるネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium; S. Typhimurium)と、微生物相の一般的な細菌である大腸菌(Escherichia coli)を選んで用いた。ネズミチフス菌は宿主の複数の組織において、抗生物質治療を生き延びる持続生残菌を形成する。本論文では、ネズミチフス菌の組織関連持続生残菌が、プラスミドのドナーあるいはレシピエントの長期間にわたって存続するリザーバーであることを示す。ネズミチフス菌の持続生残菌によるリザーバーの形成には、腸関連組織でのSPI(Salmonella pathogenicity island)-1および/あるいはSPI-2、または全身の部位でのSPI-2が必要であった。これらの持続生残菌を腸管内腔へ再播種すると、ドナーが腸に常在するレシピエントと共存可能になることで、腸内細菌科のさまざまな株の間でプラスミド伝達が起こりやすくなる。再播種後2〜3日以内で観察された接合完了体の割合は、最高で99%に達した。数理モデル化からは、まれな再播種事象が高頻度の接合を起こすのに十分であろうことが示された。ワクチン接種は、ネズミチフス菌の経口感染後に持続生残菌によるリザーバー形成を減少させるとともに、その後のプラスミド伝達も減少させた。我々は、プラスミドにコードされる耐性遺伝子の選択がなくても、持続生残病原体の小さなリザーバーが、腸において耐性プラスミドの無差別な拡散を助長できると結論する。

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