Article
構造生物学:力が誘発するPIEZO1のコンホメーション変化
Nature 573, 7773 doi: 10.1038/s41586-019-1499-2
PIEZO1は機械刺激感受性チャネルで、加わった力を電気シグナルに変換する。分子の部分構造から、PIEZO1は伸びた腕を持つお椀形の三量体であることが示されている。今回我々はクライオ(極低温)電子顕微鏡を用いて、さまざまなサイズの脂質小胞中にあるPIEZO1が、小胞のサイズに応じて湾曲の程度を変えることを明らかにした。また高速原子間力顕微鏡法を用いて、雲母表面上に置いた膜内でPIEZO1に力を加えた場合のその変形能を解析し、PIEZO1は可逆的に平たくなって膜平面内に収まることが判明した。加えた力の絶対値の概算により、PIEZO1が取り得る機械的ばね定数の値の範囲を推定した。この2種類の顕微鏡法はどちらも、PIEZO1が平面的な構造へと形を変えられることを実証している。今回明らかになった変形によって、横方向の膜張力がコンホメーションに依存した自由エネルギー変化へと変換され、PIEZO1チャネルが機械的力の変動に応じてゲートを開閉する仕組みが説明できると考えられる。

