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ナノスケール材料:グラフェンナノ構造における原子振動の実空間および運動量空間マッピング

Nature 573, 7773 doi: 10.1038/s41586-019-1477-8

伝播する原子振動波(フォノン)によって、材料の重要な熱的特性、機械的特性、光電子特性、輸送特性が決まる。従って、フォノン分散(すなわち振動エネルギーの運動量依存性)に関する情報は、材料挙動の理解と最適化のカギを握る部分である。しかし、グラフェンなどの二次元材料の単層自立膜のフォノン分散と局所振動は、振動分光法の実験的限界から、この10年間よく分かっていなかった。透過型の電子エネルギー損失分光法(EELS)で局所振動電荷応答がプローブされることが最近示されたが、そうした研究は集束ビームの幾何形状に起因する運動量空間積分によって制限されているとともに、強い双極子モーメントによって誘起される強い信号が存在する窒化ホウ素やその他の酸化物などの極性材料に限定されている。一方で、非弾性X線(中性子)散乱分光法や反射型EELSによって行われたグラフェンの測定は、空間分解能がなく、大きな結晶を必要とする。今回我々は、大きな運動量変化を伴う散乱を用いて、異なる振動モードをマッピングし、個々の自立単層グラフェンのフォノン分散を測定する新しい手法を提示する。測定された散乱強度は、密度汎関数摂動理論を用いて正確に再現され、解釈された。さらに、グラフェンナノリボン構造を用いて、選択した運動量分解振動モードをナノメートルスケールでマッピングすることで、バルク、エッジ、表面の振動を空間的に分離することが可能になった。今回の結果は、ナノメートルスケールの二次元単層材料における局所振動モード研究の実現可能性の原理実証である。

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