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生態遺伝学:現在および将来の気候においてシロイヌナズナのゲノムが受ける自然選択

Nature 573, 7772 doi: 10.1038/s41586-019-1520-9

進化というレンズを通して見ると、気候変動は、生物個体群に対し、変化して適応するか絶滅に直面するかのいずれかを強いる自然選択の要因である。しかし、気候変動に伴う生物多様性のリスクについての現在の評価では通常、自然選択が各個体群に及ぼす影響がそれらの遺伝的構成に応じてどのように異なるかは考慮されていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)について入手可能な広範なゲノム情報を利用し、スペインとドイツで栽培した517のシロイヌナズナ自然系統の適応度が降雨量の操作によってどのような影響を受けるのか測定した。これにより、ゲノム全体に働く選択の直接推測が可能になった。その結果、自然選択が特に強く働いていたのはスペインの高温乾燥地域で、そこでは系統の63%が死滅し、ゲノム規模の全バリアントの約5%で自然選択による頻度の著しい変化が見られた。気候に駆動されるこうしたバリアントの自然選択の大部分は、実験場所により似た気候を有する地理的領域で見つかった遺伝的バリアントが正の選択を受けていたことから、局所適応の特徴によって予測可能だった(R2 = 29~52%)。これらの予測はシロイヌナズナの分布域全域にわたり野外実験によって裏付けられ、こうした予測からは、この種の環境限界の辺縁に位置する地中海とシベリア西部の個体群が現在、気候に駆動されるものとして最も強い選択を受けていることが示された。ヨーロッパでは干ばつの頻度や気温が上昇していることから、我々は、方向性のある自然選択はヨーロッパの南端から北へと移動するにつれて強まり、結果として多くのシロイヌナズナ在来個体群が進化のリスクにさらされると予測する。

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