Letter
有機化学:N-トリフルオロメチルアミド、N-トリフルオロメチルカルバメート、N-トリフルオロメチルチオカルバメート、N-トリフルオロメチル尿素の直接的合成
Nature 573, 7772 doi: 10.1038/s41586-019-1518-3
アミドおよび関連カルボニル誘導体は、物理科学、生命科学全体において非常に重要である。アミドは主要な生物学的構成要素であり、その安定性とコンホメーションはペプチドやタンパク質の構造にも生物学的機能にも影響を及ぼす。加えて、アミド結合形成は、最もよく用いられる化学変換の1つである。アミドが至る所に存在することを考慮すると、安定性を損なわずにアミドの基本特性を調節できる技術は、薬学、農業化学、材料科学において大きな可能性を持つと思われる。有機分子の溶解度、親油性、コンホメーション、pKa、(代謝)安定性といった物理的特性に影響を与える目的では、フッ素化法が広く採用されてきた。同様に、化合物の安定性、物理的特性、生物活性、細胞透過性の改善には、アイソスターやペプチドミメティクス、あるいは特にN-メチル化による部位特異的修飾が用いられてきた。しかし、N-メチル化法とフッ素化法の両方を組み合わせたN-トリフルオロメチルカルボニル・モチーフは、効率的な合成方法がないため研究されてこなかった。今回我々は、アミドや関連カルボニル化合物のN-トリフルオロメチル(N–CF3)類似体を合成する直接的な方法を報告する。この戦略は、ベンチ安定性の高いフッ化カルバモイル構成要素の、操作的に単純な調整に基づいており、対応するN–CF3アミド、N–CF3カルバメート、N–CF3チオカルバメート、N–CF3尿素へ容易に多様化できる。この方法は、豊富な官能基性や立体化学を許容する。我々は、広く用いられている薬剤、抗生物質、ホルモン、ポリマーユニットの類似体など、高度に官能基化された化合物の合成例を数多く提示する。

