Review

分子生物学:遺伝子転写の組織化と調節

Nature 573, 7772 doi: 10.1038/s41586-019-1517-4

遺伝子の調節された転写によって、細胞のアイデンティティーや機能が決まる。最近の構造研究により、転写の開始段階や伸長段階でのRNAポリメラーゼによる転写調節の支配機構が解明されている。また、顕微鏡を用いた研究では、転写には細胞核内での因子群の凝集が関与することが明らかになっている。これらの研究からタンパク質をコードする遺伝子の転写について、新たなモデルが浮かび上がってきている。このモデルでは、転写の開始と伸長に必要な因子群を集めるために、それぞれ遺伝子プロモーターと遺伝子本体で異なる一過性の凝集体が形成されるとしている。転写を行う酵素であるRNAポリメラーゼIIは、これらの凝集体の間を、リン酸化依存的に行き来する可能性がある。転写の組織化と調節を説明付け、将来的な研究を導くと考えられる分子原理が定義されつつある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度