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環境科学:気候変動によるヨーロッパの河川洪水の増加と減少

Nature 573, 7772 doi: 10.1038/s41586-019-1495-6

大気が暖かいほど保水能力が大きくなることに起因して、気候変動により河川洪水が増加するとの懸念が生じている。こうした懸念は、ヨーロッパを含む世界中の多くの地域で、洪水に伴う経済的損失が増大していることを示す証拠によって強まっている。河川洪水のいかなる変化も、洪水保護対策や洪水リスクに対する都市計画の立案に永続的な影響を及ぼしてきたと考えられる。しかし、既存の研究では、空間的な範囲と水文観測所の数が限られていたため、ヨーロッパの洪水流量観測において一貫した大陸スケールの気候変動のシグナルは特定できていない。今回我々は、過去50年間にヨーロッパで観測された河川洪水流量に、増加と減少の両方の明確な地域パターンがあり、それらが気候変動の現れであることを立証する。今回の結果は、これまでのヨーロッパの洪水の最も完全なデータベースから得られたもので、以下のことを示唆している。1)ヨーロッパ北西部では、秋季と冬季の降水量の増加によって洪水が増加している。2)ヨーロッパ南部の中規模および大規模な集水域では、降水量の減少と蒸発量の増加によって洪水が減少している。3)ヨーロッパ東部では、気温の上昇に起因する積雪と融雪の減少によって洪水が減少している。ヨーロッパの地域的な洪水流量の傾向は、10年当たり約11%の増加から23%の減少まで幅がある。観測記録が空間的および時間的に不均一であるにもかかわらず、今回特定された洪水の変化は今後100年の気候モデルの予測とほぼ一致しており、これは、気候に駆動される変化がすでに起こっていることを示唆するとともに、洪水リスクの管理において気候変動を考慮する必要性を裏付けている。

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