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エレクトロニクス:相補型カーボンナノチューブトランジスターから作られた最新のマイクロプロセッサー

Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1493-8

シリコントランジスターのスケーリングでは、過去に見られたエネルギー効率の向上がもはや得られなくなっていることから、エレクトロニクスは大きなパラダイムシフトに近づいており、シリコンを超えるナノテクノロジーの研究に拍車が掛かっている。特に、カーボンナノチューブ電界効果トランジスター(CNFET)を用いたデジタル回路はエネルギー効率をかなり向上できる見込みがあるが、カーボンナノチューブに固有のナノスケールの欠陥とばらつきを完全には制御できないため、超大規模集積システムの実現が妨げられてきた。今回我々は、こうした課題を克服して、全てCNFETから作られたシリコンを超えるマイクロプロセッサーを実証する。この16ビットマイクロプロセッサーはRISC–V命令セットに基づいており、16ビットのデータとアドレスに対して標準的な32ビット命令を実行する。このマイクロプロセッサーは、1万4000個以上の相補型金属酸化物半導体CNFETからなり、業界標準の設計フローとプロセスを使って設計、製造された。我々は、カーボンナノチューブ製造の方法論、すなわちウエハー基板全体にわたって巨視的スケールでナノスケールの不完全さを克服する加工技術と設計技術の一連の組み合わせを提案する。今回の研究は、シリコンを超える実用的なエレクトロニクスシステムへの有望な経路を実験的に立証している。

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