Article

腫瘍生物学:転移ニッチの標識から幹細胞の特徴を持つ実質細胞が明らかになった

Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1487-6

転移してきた細胞が周囲の組織内に引き起こす初期の細胞変化を直接調べることは困難である。今回我々は、転移がん細胞が細胞膜透過性蛍光タンパク質を放出する系について示す。このタンパク質は隣接細胞に取り込まれることで、局所の転移細胞環境の空間的な特定を可能にする。この系を用いると、転移ニッチにおける存在量が少ない組織細胞を、バルク組織内で特定および特徴付けできる。その能力を明らかにするために、我々はこの戦略を用いて、肺での転移性乳がん細胞の細胞環境を調べた。その結果、幹細胞様の特徴、肺前駆細胞マーカーの発現、多細胞系譜への分化能、自己複製活性を示すがん関連実質細胞の存在が明らかになった。ex vivoアッセイでは、がん細胞と共培養した肺上皮細胞は、がん関連実質細胞様の表現型を獲得して、がん細胞の増殖を支えた。これらの結果は、この方法が新しい発見のためのプラットフォームになる可能性を明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度