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関節炎:局所で再生する滑膜常在性マクロファージは関節の保護バリアとなる
Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1471-1
マクロファージは、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患に関与していると考えられている。しかし、炎症性関節疾患におけるマクロファージの正確な起源もその役割も分かっていない。今回我々は、運命マッピングの手法を、三次元LSFM(light-sheet fluorescence microscopy)および単一細胞RNA塩基配列解読法と共に用いて、健康な関節内と炎症を起こした関節内のマクロファージサブセットの組成、起源、分化について包括的な時空間的解析を行い、関節炎の際のこれらのマクロファージの役割について調べた。その結果、CX3CR1+組織常在性マクロファージの明確な集団からなる動的な膜様構造が、滑膜表層に免疫学的な内部バリアを形成し、関節を物理的に隔離していることが分かった。これらのバリア形成マクロファージは、その他の点では上皮細胞に典型的な特徴を示し、滑膜組織に埋め込まれていて局所的に増殖するCX3CR1−単核細胞のプールを介して細胞数を維持している。関節の炎症に能動的に関与する動員された単球由来マクロファージとは異なり、これらの上皮様のCX3CR1+表層マクロファージは、密着結合を介した保護層を関節内構造に提供することにより炎症応答を制限する。我々のデータは、滑膜マクロファージの間に予想外の機能的多様化が見られることを明らかにしており、健康と疾患におけるマクロファージの一般的な役割にとって重要な意味を持つ。

