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物性物理学:ねじれ2層グラフェンにおける魔法角での電子相互作用の最大化

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1431-9

原子レベルの薄さのファンデルワールス結晶からなるヘテロ構造体の電子的特性は、結晶間の層間ねじれに起因するモアレ超格子ポテンシャルによって大きく変化させることができる。最近、そうしたモアレによるバンド構造チューニングが、約1.1°というねじれの「魔法角」に近いねじれ2層グラフェン(TBG)における超伝導や相関絶縁相の発見につながっており、その際のTBGの相図は、高転移温度超伝導体の相図とよく似ていた。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡法と分光法を用いて、魔法角に近いTBGの原子スケールの構造的特性と電子的特性を直接マッピングしている。我々は、魔法角付近の局所状態密度において2つの明確に異なるファンホーブ特異点(VHS)を観測しており、電子/ホールの高いドーピングによって57 meVのエネルギー差が40 meVに低下する。意外にも、ねじれ角を小さくするとVHSのエネルギー差は減少し続け、魔法角0.79°で最低値7~13 meVになる。我々は、この物質の相関挙動にとってさらに重要な点として、魔法角では個々のVHSのバンド幅に対するクーロン相互作用の比(U/t)が最大になり、電子のクーパー対形成機構に最適であることを見いだした。モアレバンド半充填付近でドープすると、相関誘起ギャップによって伝導VHSが分裂し、1.15°で最大の6.5 meVになり、0.79°で4 meVまで低下する。我々は、ハートリー・フォックモデルを用いてドーピング依存性と角度依存性の分光観測結果を捉え、これによってオンサイトクーロン相互作用と最近接クーロン相互作用を抽出できた。この解析によって1のオーダーのU/tが得られ、魔法角TBGが適度に相関していることが示された。加えて、走査型トンネル分光マップから、TBGにおける局所状態密度のエネルギー依存性とドーピング依存性の3回回転対称性の破れが明らかになり、この対称性の破れはフェルミ準位付近で最も強く、相関ギャップ領域へのドーピングでさらに強くなった。これは、超伝導が見られる相図領域にあるTBGにおいて、強い電子ネマティック感受性はもとよりネマティック秩序が存在することを示している。

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