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構造生物学:ニューロテンシン受容体1–Gi1複合体のコンホメーション遷移

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1337-6

ニューロテンシン受容体1(NTSR1)は、複数サブタイプのGタンパク質と結合するGタンパク質共役受容体(GPCR)で、血圧や体温、体重や痛覚の制御に関与する。今回我々は、アゴニストJMV449やヘテロ三量体Gi1タンパク質と複合体を形成した状態のヒトNTSR1について、3 Å分解能での構造を示す。我々は、最近報告されたGPCR–Gi/o複合体と同様のカノニカルな状態の複合体(ヌクレオチド結合ポケットがより柔軟なコンホメーションをとっており、おそらくヌクレオチドの交換を促進している)と、Gタンパク質が受容体に対して約45°回転し、より固定されたヌクレオチド結合ポケットを持つ非カノニカルな状態の複合体という2種類のコンホメーションを明らかにした。非カノニカル状態では、NTSR1が活性型と非活性型の両方のコンホメーションの特徴を示しており、この構造がGタンパク質の活性化反応における中間体状態を表している可能性が示唆された。この構造情報を基に、分子動力学シミュレーションと機能解析とを組み合わせることで、Gタンパク質活性化における複雑なプロセスについての知見が提供された。

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