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幹細胞:パネート細胞が産生するNotumは老化した腸上皮の再生を抑制する
Nature 571, 7765 doi: 10.1038/s41586-019-1383-0
加齢における幹細胞機能の低下は組織の再生を妨げるが、幹細胞を支えるニッチが加齢において果たす役割についてはよく分かっていない。小腸は活発に分裂する腸幹細胞によって維持されており、これらの幹細胞はパネート細胞ニッチにより調節されている。今回我々は、ヒトとマウスの腸上皮が持つ再生能が、幹細胞とそのニッチの両方における異常のために、加齢とともに低下することを示す。こうした機能の低下は、老化したパネート細胞ではWntの細胞外阻害因子であるNotumの産生によって、幹細胞性を維持するWntシグナル伝達が低下することに起因する。機構的には、老化したパネート細胞におけるmTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)の高い活性が、PPAR-α(peroxisome proliferator activated receptor α)の活性を抑制し、PPAR-α活性の低下がNotumの発現を上昇させる。Notumの遺伝学的標的化やWntの補充を行うと、老化した腸オルガノイドの機能が回復した。さらに、マウスにおいて薬理学的にNotumを阻害すると、老化した幹細胞の再生能が高まり、化学療法誘発性の損傷からの回復が促進された。我々の結果は、加齢における幹細胞ニッチの役割を明らかにするとともに、Notumの標的化が老化した組織における再生を促進し得ることを実証している。

