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量子物理学:シリコンにおけるリンのドナー電子間の2キュービットゲート

Nature 571, 7765 doi: 10.1038/s41586-019-1381-2

シリコン内で原子が作る電子スピン量子ビット(電子スピンキュービット)は、大きな(数十ミリ電子ボルトの)軌道エネルギーと弱いスピン–軌道結合を持ち、コヒーレンス時間が数秒の孤立した電子スピン基底状態を生み出す。これまでに、そうしたキュービットの高い忠実度(99.9%以上)でのコヒーレント制御が実証されており、量子コンピューティングのための魅力的なプラットフォームになると期待されている。しかし、原子を用いたキュービットで大規模回路を実現するのに不可欠であるキュービット間結合は、まだ実現されていない。ゲートによって閉じ込められたシリコン量子ドットにおいて最近実証されたように、電子スピン間の交換相互作用によって、2キュービットゲートによる高速(ギガヘルツ)のゲート演算を実現できる見込みがある。しかし、リンの原子キュービットに束縛された2個の電子の間に調整可能な交換相互作用を生成することはこれまで不可能だった。これは、高い忠実度で独立なスピン読み出しを行う原子回路を整列させつつ、交換相互作用をオン・オフにするのに必要な原子間距離を決めるのが難しいためである。本論文では、基底状態一式に対して読み出し忠実度が約94%の独立したシングルショットスピン読み出しを用いた、シリコンにおけるリンのドナー電子スピンキュービット間の高速(約800ピコ秒)の√SWAP 2キュービット交換ゲートを報告する。我々は、原子スケールでキュービットの配置を操作することによって、シリコンにおいてドナーキュービットに基づくマルチキュービット量子回路を実現し、効率よく評価する手段を得た。

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