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生化学:m6AはmRNAの相分離能を増強する
Nature 571, 7765 doi: 10.1038/s41586-019-1374-1
N6-メチルアデノシン(m6A)は、mRNA中で最も広く見られる修飾ヌクレオチドで、mRNAのおよそ25%がm6Aを少なくとも1個は含んでいる。mRNAのメチル化によるm6Aの形成は、さまざまな細胞過程や生理過程で必要とされる。mRNA中のm6Aの存在は、さまざまなやり方でmRNAの運命に影響を及ぼすが、m6Aがこの過程を誘導する仕組みや、m6Aの影響が細胞内の多様な状況に応じて異なる理由については分かっていない。今回我々は、細胞質ゾルのm6A結合タンパク質(YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3)が、in vitroでも細胞内でも液–液相分離することを示す。この相分離は、複数のm6A残基を含むmRNAによって著しく促進されるが、m6Aを1つしか持たないmRNAでは促進されない。ポリメチル化されたmRNAは、YTHDFタンパク質類が結合するための多価の足場として働き、これがタンパク質の低複雑度ドメインを並列させ、相分離につながる。結果として生じたmRNA–YTHDF複合体は次いで、相分離しているさまざまな内在性区画、例えばPボディ、ストレス顆粒、ニューロンのRNA顆粒へと分配される。m6A-mRNAは、安定性の低下やmRNAの翻訳の減少などといった区画特異的な調節を受ける。今回の研究は、細胞内mRNAのm6A部位の数や分布状態が、相分離したトランスクリプトームの組成を調節したり変化させたりできることを明らかにしたもので、m6Aという修飾を持つmRNAの細胞での性質は、液–液相分離の原理によって支配されていることを示唆している。

