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神経科学:単一細胞解析から明らかになった、老化した神経発生ニッチにおけるT細胞の浸潤
Nature 571, 7764 doi: 10.1038/s41586-019-1362-5
哺乳類の脳には、神経幹細胞をはじめさまざまなタイプの細胞からなる神経発生ニッチがある。神経発生ニッチの機能は加齢に伴って低下するが、加齢の際に神経発生ニッチがどのように変化するのかは分かっていない。今回我々は、若齢マウスおよび老齢マウスの神経発生ニッチについて、単一細胞RNA塩基配列解読を行った。1万4685の単一細胞トランスクリプトームの解析から、老化した神経発生ニッチには、活性化した神経幹細胞の減少、内皮細胞やミクログリアの変化、T細胞の浸潤が見られることが明らかになった。老化した脳のT細胞はクローン拡大していて、老化した血液中のT細胞とは概して異なっていることから、老化した脳のT細胞は特定の抗原を認識している可能性が示唆された。老化した脳のT細胞はまた、インターフェロンγを発現しており、高いインターフェロン応答を示す神経幹細胞のサブセットはin vivoでの増殖が低下していた。T細胞は、共培養やin vivoにおいて神経幹細胞の増殖を抑制できることが分かった。これは、一部はT細胞がインターフェロンγを分泌することによる。我々の研究は、老化した脳におけるT細胞と神経幹細胞の間の相互作用を明らかにするとともに、加齢に伴う脳機能の低下に対抗するための有望な道を開くものである。

