生化学:タンパク質界面の設計による無機結晶上でのタンパク質集合の制御
Nature 571, 7764 doi: 10.1038/s41586-019-1361-6
タンパク質などの巨大分子が無機表面と相互作用する能力は、生物学的機能に不可欠である。こうした相互作用に関与するタンパク質は、高度に帯電しており、カルボン酸側鎖に富むことが多いが、大半のタンパク質–無機界面の構造はよく分かっていない。我々は、クラスレート水を秩序化して氷状の構造を形成する一連のトレオニン残基(氷格子と整合する)を示す氷結合タンパク質の例を手掛かりとして、構造化されたタンパク質–無機界面を系統的に設計する可能性を探った。本論文では、白雲母の(001)面上のカリウムイオン(K+)副格子に幾何学的に整合する、最大54個のカルボン酸残基が並んだタンパク質を設計したことについて報告する。低K+濃度では、個々の分子が、設計された配向でバラバラに雲母と結合する。これに対し、高K+濃度では、設計によって二次元液晶相が形成されることで、白雲母格子における固有の構造バイアスが強められ、数十ミリメートルにわたって秩序化したタンパク質アレイが生成する。タンパク質とK+格子の整合性を維持する設計されたタンパク質–タンパク質相互作用を組み込むことによって、雲母上での自己集合構造が拡張された。つまり、設計された末端同士の相互作用によってマイクロメートルの長さでタンパク質1個分の直径のワイヤーが生成し、設計された三量体界面によって広範囲にわたるハニカムアレイが生成した。単量体の繰り返し単位数を変えることによって、この六角形アレイにおける最近隣距離は、2.1 nmの選択性で7.5 nmから15.9 nmの間にデジタル的に定めることができた。今回の結果は、タンパク質–無機格子相互作用を系統的にプログラムできることを示しており、タンパク質–無機ハイブリッド材料の設計の土台を築くものである。

