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生体力学:足の胼胝の厚さは歩行において保護と触覚感度の間にトレードオフを生じない

Nature 571, 7764 doi: 10.1038/s41586-019-1345-6

ヒトは比較的最近になるまで、他の動物と同様、常に裸足であった。そのためヒトの足裏は、歩行において体と地面とが直接接触する唯一の部位だった。サンダルやモカシンのような履物が最初に考案されたのは過去4万年以内であることを示す間接的な証拠があるが、見つかっている最古の履物は8000年前のものと推定され、クッション性のあるかかとのついた安価な靴が開発されたのは産業革命が起こってからだった。皮膚の表皮層が肥厚して硬化した部分である胼胝(たこ)は、足を保護するための進化的解決法である。そのため我々は、こうした胼胝が、歩行時、特に足が初めて地面に触れる際に、滑りやすかったり、ざらついていたりする他、けがの恐れがあったり、不快である可能性のある表面で安全性を向上させるために触覚感度を維持する点で、靴と違いがあるのかどうかという疑問を持った。本論文では、ケニア人および米国人の中で裸足で歩く頻度の高い人は、予想通り、通常履物を使用している人よりも、厚くて硬い胼胝を持つことを示す。しかし、靴の場合とは対照的に、胼胝の厚さは、保護機能(硬度と剛性として測定される)と、歩行時に経験するような頻度の触覚刺激を知覚する能力との間にトレードオフの関係を生じさせないことが分かった。さらに、胼胝の厚さは、クッション性のある履物とは異なり、歩行時に足が地面に当たる際の強度(衝撃力として示される)には影響していなかった。クッション性のある履物は、触覚感度を犠牲にして保護機能と快適さを提供するとともに、衝撃における負荷の割合を低下させるが力積は増大させる。これが骨格に与える影響はまだ分からず、今後の研究に値する。

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