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免疫学:TOXは慢性ウイルス感染において疲弊T細胞の表現型と寿命を強化する

Nature 571, 7764 doi: 10.1038/s41586-019-1326-9

細胞傷害性T細胞は、ウイルス感染や悪性腫瘍に対する防御免疫に不可欠なメディエーターであり、免疫療法の手法における重要な標的である。しかし、コグネイト抗原への長期的な曝露は、しばしばT細胞のエフェクター能力を減弱させ、T細胞が持つ治療可能性を制限する。T細胞の疲弊もしくは機能不全として知られるこの過程は、遺伝子調節におけるエピジェネティックな強制的変化を介して顕在化し、サイトカインやエフェクター分子の発現が低下して、PD-1(programmed cell-death 1)などの抑制性受容体の発現が上昇する。疲弊T細胞の表現型の特徴や機能的特徴を誘導し安定化させる根本的な分子機構はあまり分かっていない。今回我々は、マウスにおける疲弊T細胞集団の発生と維持には、TOX(thymocyte selection-associated high mobility group box)タンパク質が必要であることを報告する。TOXは、T細胞受容体の強い抗原刺激によって誘導され、マウスでのリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスとヒトでのC型肝炎ウイルスの慢性感染期間中における疲弊表現型の存在と相関を示した。TOXのDNA結合ドメインを除去すると、PD-1の発現がmRNAレベルとタンパク質レベルで減少し、サイトカインの産生が増加して、より多機能性のT細胞表現型を生じた。この欠失型TOXを持つT細胞は、初めはエフェクター機能の増大を仲介して、より重篤な免疫病態を引き起こすが、最終的にその数は大きく減少し、そうした減少は特にTCF-1+自己複製T細胞サブセットにおいて顕著であった。まとめると我々の結果は、T細胞機能不全の正常な進行や、慢性感染での疲弊T細胞維持において、TOXが非常に重要な因子であることを明らかにするとともに、CD8 T細胞に固有のエフェクター機能の抑制と、免疫病態に対する防御の間のつながりを示している。

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