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細胞生物学:ヘテロ三量体Giと連結しているオキシステロール結合型ヒトSmoothenedのクライオ電子顕微鏡構造
Nature 571, 7764 doi: 10.1038/s41586-019-1286-0
がんタンパク質Smoothened(SMO)はFrizzledクラス(クラスF)のGタンパク質共役受容体(GPCR)で、腫瘍抑制因子であるPatched-1(PTCH1)からのHedgehogシグナルをGLI(glioma-associated-oncogene)転写因子へと伝達し、これによってHedgehogシグナル伝達経路が活性化される。PTCH1がSMOを調節する仕組み、またSMOが刺激を受けてヘテロ三量体Gタンパク質との複合体を形成する仕組み、SMOとGタンパク質との連結がGLIタンパク質の活性化に関与しているのかどうかについては、まだ分かっていない。今回我々は、24,25-エポキシコレステロールがPTCH1の内在性リガンドであることを明らかにし、これが細胞内でHedgehogシグナル伝達を刺激でき、またin vitroでヒトSMOを介するGタンパク質シグナル伝達を誘発できることを示す。我々は、24(S),25-エポキシコレステロールに結合したヒトSMOについて、ヘテロ三量体Giタンパク質と連結した状態のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を得た。この構造から、7回膜貫通領域中にあるリガンド結合部位(24(S),25-エポキシコレステロールが結合する)や、Giが連結したヒトSMOの活性化機構が明らかになった。Giタンパク質は、クラスAのGPCR–Gi複合体とは異なる配置をとっている。我々の研究によって、Hedgehogシグナル伝達とクラスFのGPCRの活性化について、分子レベルでの知見が得られた。

