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腫瘍生物学:UDPグルコースはSNAI1 mRNAの分解を促進し、肺がん転移を障害する
Nature 571, 7763 doi: 10.1038/s41586-019-1340-y
がんの転移は、がんの症状と死亡率の主要な原因であり、がん関連死の最大で95%が転移によるものである。がん細胞は自身の代謝を再プログラム化して、細胞の増殖や生存を効率的に支えていることが多い。しかし、このような代謝変化が腫瘍細胞の移動に関与しているのかどうか、また、それがどのような仕組みによるのかについては、ほとんど分かっていない。UDPグルコース-6-デヒドロゲナーゼ(UGDH)はウロン酸経路の主要な酵素であり、UDPグルコースをUDPグルクロン酸に変換する。今回我々は、ヒト肺がん細胞ではEGFRの活性化後にUGDHの473番目のチロシンがリン酸化されることを示す。リン酸化されたUGDHはHuR(Hu antigen R)と結合し、UDPグルコースをUDPグルクロン酸に変換する。これによってHuRとSNAI1 mRNAの結合のUDPグルコースによる阻害が減弱され、その結果としてSNAI1 mRNAの安定性が強化される。SNAIL産生が増加すると上皮間葉転換が開始され、こうして腫瘍細胞の移動と肺がん転移が促進される。加えて、UGDHのチロシン473のリン酸化は、肺がん患者での転移再発と予後不良とに相関している。我々の知見は、肺がん転移でのUDPグルコースの腫瘍抑制的な役割を明らかにしており、UGDHがSNAI1 mRNAの安定性増強により腫瘍転移を促進する機構を示している。

