Letter
計算材料科学:教師なし単語埋め込みによる材料科学文献からの潜在的知識の獲得
Nature 571, 7763 doi: 10.1038/s41586-019-1335-8
圧倒的多数の科学的知識は文書として出版されており、従来の統計分析法でも現代の機械学習法でも解析が難しい。これに対して、材料研究コミュニティー向けの機械解釈可能な主要データ源は、構造化された特性データベースに由来しているが、そうしたデータベースには研究文献に記載された知識のほんの一部しか含まれていない。出版物には、特性値以外にも、著者によって解釈されたデータ項目間のつながりや関係性に関する貴重な知識が含まれている。いくつかの研究では、こうした知識の特定と使用を改善するために、教師あり自然言語処理を用いる科学文献からの情報検索に重点を置いていたが、教師あり自然言語処理では訓練のために手作業でラベリングした大規模なデータセットが必要である。今回我々は、出版された文献中に存在する材料科学の知識を、人によるラベリングなし、つまり教師なしで、情報密度の高い単語埋め込み(単語のベクトル表示)として効率的に符号化できることを示す。この単語埋め込みによって、化学的知識を明示的に導入せずに、複雑な材料科学の概念(周期表の基本的構造や材料の構造と特性の関係など)が獲得された。さらに我々は、教師なし法を用いることで、機能的応用向けの材料を、それらが発見される数年前に推奨できることを実証する。これは、将来の発見に関する潜在的知識の大部分が過去の出版物の中に存在していることを示唆している。今回の知見は、膨大な数の科学文献から知識と関係性を集合的に抽出できる可能性を浮き彫りにするとともに、科学文献マイニングの一般化手法への方向性を示すものである。

