Letter

量子物理学:量子跳躍を飛行中に捕らえて反転させる

Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1287-z

量子物理学では基本的に、測定によって離散的でランダムな結果が生じ得る。この特徴を象徴するのが、ボーアが1913年に提案した、原子の2つの離散エネルギー準位の間の量子跳躍である。実験的には、量子跳躍は、強い連続エネルギー測定中に弱い決定論的な力に駆動された原子イオンにおいて初めて観測された。不連続な跳躍遷移がいつ起こるかを予測するのは、基本的には不可能であると考えられている。量子物理学の非決定論的な特性にもかかわらず、量子跳躍が起ころうとしているかどうかを知ることは可能なのか。今回我々は、この疑問に対する肯定的な答えを提示する。すなわち、超伝導性の人工3準位原子では、基底状態と結合した補助エネルギー準位の占有数を監視することによって、基底状態から励起状態への跳躍が予測可能な「飛行」に従うのを追跡できることを実験的に実証する。実験結果は、おのおのの完了した跳躍の発展が連続的で、コヒーレントかつ決定論的であることを示している。我々は、実時間モニタリングと実時間フィードバックを使って、こうした特徴を利用し、量子跳躍をその飛行中に捉えて反転させて、量子跳躍の完了を決定論的に阻止した。今回の知見は、調節可能なパラメーターを基本的に使わずに理論予測と一致し、最新の量子トラジェクトリー理論を裏付けており、量子誤り訂正の誤りシンドロームの初期検出などの量子系の制御において実時間介入方法を探究する新しい基礎を与えると考えられる。

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