生物地球化学:鉱物による保護が天然有機炭素の長期にわたる全球的な保存を調節する
Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1280-6
光合成による有機炭素の生成と呼吸のバランスは、大気組成と気候を制御している。生物圏では有機炭素の大半が呼吸によって二酸化炭素に戻るが、そのごく一部は再鉱化を逃れ、地質学的な時間スケールにわたって保存される。この隔離過程は、地球の表面から還元された炭素を除去することによって、大気中の酸素の蓄積と二酸化炭素の除去を促進する。有機炭素の保存を説明するために、生化学的に不活性な化合物の選択的保存と、鉱物マトリックスとの相互作用に起因する保護という2つの主な機構が提案されている。どちらの機構も、さまざまな環境と時間スケールにわたって機能し得るが、それらの1000〜10万年の時間スケールでの全球における相対的な重要性はまだよく分かっていない。本論文では、土壌、堆積物、溶存有機炭素における、有機炭素の活性化エネルギーとそれに対応する放射性炭素年代の分布に関する全球データセットを提示する。我々は、鉱物を含む全ての試料で、活性化エネルギーの分布が時間とともに広がることを見いだした。この結果には結合強度の多様性の増大が必要であり、これは有機–無機結合の形成とは一致するが、選択的な保存とは一致しない。さらに、放射性炭素年代からは、鉱物と結合した活性化エネルギーの高い有機炭素は、活性化エネルギーが低く結合していない有機炭素と比べて数千年長く存続することが明らかになった。今回の結果は、有機炭素の保存を促進するのに、提案されている鉱物による保護が重要であることを示す全球的に一貫した証拠を提供している。我々は、太古の堆積物における結合強度の多様性を同様に調べれば、有機炭素の保存、ひいては大気組成と気候が、地質学的時間にわたって変化してきた理由と仕組みが明らかになる可能性があると提案する。

