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大気化学:同位体によって絞り込まれた20世紀における対流圏オゾン濃度の増大

Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1277-1

対流圏のオゾン(O3)は、大気汚染の重要な要素であるとともに人為的に排出される重要な温室効果ガスである。20世紀には、内燃機関の普及、急速な工業化、土地利用の変化によって、O3濃度が全球スケールで増大したが、この増大の規模はよく分かっていない。大気化学モデルからは、対流圏のO3負荷が1900年以降25〜50%増大したと予測されることが多いが、19世紀後半に行われた直接測定からは、地表のO3混合比がその期間に最大300%増大したことが示されている。しかし、こうした測定の正確さと診断能力はいまだ論争の的になっている。今回我々は、1590〜2016年に極域のフィルンと氷に閉じ込められた分子酸素の凝集同位体組成(O2中の18O18O)の記録と、大気化学モデルシミュレーションを用いて、対流圏のO3濃度の変化を絞り込んだ。その結果、20世紀後半に、O2中の18O18Oの割合が1590〜1958年の平均値より0.03 ± 0.02 ‰(95%信頼区間)減少したことが見いだされた。これは、その期間の対流圏O3の増大が40%未満であることを示唆している。こうした結果は、O3前駆物質の人為的排出量の増大に起因して地表の汚染と植生のストレスが全球スケールで増大する、というモデル予測を裏付けている。さらに我々は、1850年以降の対流圏O3の放射強制力が、おそらく+0.4 W m−2未満であるとも見積もっており、これは、最近の気候モデリング研究の結果と一致している。

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