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免疫学:性質の異なる繊維芽細胞のサブセットが関節炎における炎症と損傷を促進する
Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1263-7
重複しないエフェクター機能を持つリンパ球サブセットの特定は、免疫介在性炎症性疾患(IMID)の標的治療の開発に極めて重要である。しかし、機能重複のない繊維芽細胞のサブクラスも存在していて、それらが炎症や損傷などIMIDで見られる多様な組織駆動型の過程の原因となっているのかどうかは不明である。今回我々は、関節炎において炎症を仲介する繊維芽細胞サブグループと組織損傷を仲介する繊維芽細胞サブグループを特定し、それらの生物学的特性について報告する。我々は、FAPα(fibroblast activation protein-α)+繊維芽細胞の欠失によって、一過性関節炎と持続性関節炎のマウスモデルで炎症と骨侵食の両方が抑制されることを示す。単一細胞転写解析によって、FAPα+集団内に、性質の異なる2つの繊維芽細胞のサブセットがあることが明らかになった。免疫エフェクターのFAPα+THY1+繊維芽細胞は滑膜深層に存在し、破壊的なFAPα+THY1−繊維芽細胞は滑膜表層に限局していた。FAPα+THY1−繊維芽細胞をマウスの関節に養子移入すると、炎症にはほとんど影響を与えることなく骨と軟骨の損傷を選択的に仲介した。一方、FAPα+THY1+繊維芽細胞の移入は、より重度で持続的な炎症性関節炎を引き起こし、骨や軟骨に対する影響はごくわずかだった。機能的重複のない、解剖学的に異なり機能的な性質の違いを持つ繊維芽細胞サブセットに関する今回の知見は、炎症や組織損傷の調節を目的とした細胞ベースの治療に重要な意味を持つ。

