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細胞シグナル伝達:代謝によるBRISC–SHMT2の集合の制御が免疫シグナル伝達を調節する
Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1232-1
セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ2(SHMT2)は、アミノ酸代謝とヌクレオチド代謝に不可欠な一炭素転移反応を調節し、補因子としてピリドキサール5′-リン酸(PLP)を用いる。アポ型のSHMT2は機能の不明な二量体として存在しているが、PLPの結合によって活性な四量体の状態として安定化される。またSHMT2は、脱ユビキチン化を行うBRCC36イソペプチダーゼ複合体(BRISC)と相互作用して炎症性サイトカインシグナル伝達を促進するが、この機能が代謝と関係するのかどうかは不明である。今回我々は、ヒトBRISC–SHMT2複合体の3.8 Åの分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を示す。BRISCは4個のサブユニットからなるU字型の二量体であり、SHMT2はBRCC36の活性部位を立体的に遮断し、脱ユビキチン化酵素活性を阻害する。不活性なSHMT2二量体だけがBRISCに結合してこれを阻害し、PLPの結合した活性な四量体はBRISCに対して結合も阻害もしない。SHMT2と結合できないBRISC変異では、炎症刺激に応じたI型インターフェロンシグナル伝達が起こらなくなる。つまり、細胞内のPLPレベルは、BRISCとSHMT2の相互作用だけでなく、炎症性サイトカイン応答も調節している。これらのデータから、代謝物が脱ユビキチン化酵素活性と炎症性シグナル伝達を調節する機構が明らかになった。

