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古生物学:カナダ北極域で見つかった原生代の初期菌類

Nature 570, 7760 doi: 10.1038/s41586-019-1217-0

菌類は現代の生態系に不可欠な構成要素である。菌類は、真核生物による陸の開拓、陸上植物や後生動物の出現と繁栄に重要な役割を担ってきた可能性がある。にもかかわらず、菌類であると全く疑義なく特定できる化石は、古生代の中期になるまで化石記録中に存在しない。今回我々は、形態解析、超微細構造解析および分光学的解析を用いて、年代が約10億1000万~8億9000万年前とされるGrassy Bay累層(カナダ北極域のShaler超層群)の頁岩中に保存されていた、有機物からなる細胞壁を持つ多細胞生物の微化石が、菌類との類似性を有することを示す。これらの微化石の年代は、菌類の明確な存在としてこれまでに報告されたものより5億年以上さかのぼるもので、この年代は当該クレードの出現に対する分子時計からのデータと一致している。菌類の化石記録の拡大という点では、この知見は真核生物のクラウン生物群であるオピストコンタ(後生動物、菌類とそれらに類縁の原生生物から構成される)の出現の下限となる年代もさかのぼらせるものである。

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