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進化生物学:捕食者に誘導される、ニッチ構造および種の共存の崩壊

Nature 570, 7759 doi: 10.1038/s41586-019-1264-6

生物の侵入は、差し迫った環境課題であるとともに、生物多様性や食物網構造の調節において最上位捕食者が果たす役割などの基本的な生態学的過程を調べる機会をもたらす。我々は、アノールトカゲの一種ブラウンアノール(Anolis sagrei)が在来の最上位捕食者であったカリブ海の小島嶼での全生態系操作において、競争者(別のアノールトカゲであるAnolis smaragdinus)と最上位捕食者(ゼンマイトカゲの一種Leiocephalus carinatus)をそれぞれ単独で、または共に侵入させる実験を行った。本論文では、古典的なキーストン捕食の考えとは対照的に、L. carinatusの存在が、競合する被食種同士の共存を不安定化させたことを明らかにする。恐怖に駆動される捕食者回避は、そうした回避がない場合に共存を安定化させる空間的ニッチや食物ニッチの構造を崩壊させ、捕食者の存在しない避難地での種間競争を激化させて、2島嶼でA. smaragdinus個体群の絶滅に寄与した。また、A. smaragdinusまたはL. carinatusの単独導入が島嶼の食物連鎖を伸長したのに対し、これら2種の同時導入はこの効果を逆転させた。これは一部に、この最上位捕食者が栄養雑食者であることに起因する。今回の結果は、生態学的群集におけるトップダウン制御の重要性を強調する一方で、その帰結が被食者行動、空間的構造、雑食性に依存することを示している。最上位捕食者による多様性を高める効果は想定できず、種の共存においては、捕食リスクの非消費性の影響が広範な制約条件になっている可能性がある。

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