Article

神経科学:ドーパミン動態は学習と動機付けに分離できる

Nature 570, 7759 doi: 10.1038/s41586-019-1235-y

腹側被蓋野(VTA)から側坐核(NAc)へのドーパミン投射は、報酬を求める行動の動機付けや報酬で駆動される学習に重要である。しかし、ドーパミンがこの両機能をどのように支えているのかは未解明である。ドーパミン細胞の発火は、適応行動の計算理論で中核的な学習信号となる予測誤差を符号化し得る。それとは対照的に、ドーパミンの放出は、動物が報酬に接近するにつれて漸増し、報酬の期待を反映する。この不整合は、行動課題の差異、ドーパミン細胞発火の緩徐な変化、あるいは発火に依存しないドーパミン放出の調節を反映してるのかもしれない。今回我々は、VTA中の特定されたドーパミン細胞の発火とNAcでのドーパミン放出を、同一の意思決定課題で比較した。その結果、報酬を予測させる手掛かりは、発火と放出の両方を増加させた。一方で、NAcコア部でのドーパミン放出はまた、報酬期待の動的な漸進的変化と共に変動したが、これに対応するVTAドーパミン細胞の発火の変動は見られなかった。この結果は、異なる機能を実現するためのドーパミン放出の調節のされ方に基本的差異があることを示唆している。すなわち、広範囲に送られる発火信号は学習を促し、局所的な分泌調節は動機付けを駆動する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度