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分子生物学:C. elegansの核では活性クロマチンの標識がヘテロクロマチンの空間的隔離を駆動する

Nature 569, 7758 doi: 10.1038/s41586-019-1243-y

遺伝子発現の発生プログラムを実行するには、ゲノムが核内区画に正しく分配され、活性なユークロマチンは中心部に多く、抑制されているヘテロクロマチンは核辺縁部に多く配置される必要がある。ラミンAの変異に結び付けられている変性疾患の存在から、クロマチンの核辺縁部への結合は細胞タイプの完全性に関わっていると考えられている。ヒストンH3リシン9のメチル化(H3K9me)はヘテロクロマチンの特徴で、転写の抑制と核内膜へのクロマチン係留に関わっている。線虫の一種であるCaenorhabditis elegansの胚では、核内膜に結合しているクロモドメインタンパク質CEC-4がH3K9meを介してヘテロクロマチンを係留しているが、分化した組織では第2のヘテロクロマチン隔離経路が誘導される。今回我々は、cec-4という背景でRNA干渉スクリーニングを行い、腸細胞ではMRG-1がこの第2のクロマチン係留に必要な因子として幅広く発現されていることを明らかにした。しかし、MRG-1はほぼ全てユークロマチンに結合しており、その作用は間接的であると考えられる。mrg-1; cec-4二重変異体では、ヒストンアセチルトランスフェラーゼCBP-1/p300、もしくはbZIPファミリーに属する転写因子ATF-8(CBP/p300を誘引することが知られている)を欠失させることにより、ヘテロクロマチンの剥離を救済できる。cec-4変異体でのCBP-1の過剰発現はそれだけで、ATF-8に依存した形でヘテロクロマチンを非局在化させることができる。ヘテロクロマチンでは、mrg-1のノックダウンに応じて、CBP-1とH3K27acレベルの上昇が非局在化と同時に起こる。これは、C. elegansでのクロマチンの空間的編成は、抑制されたクロマチンの核辺縁部への直接結合と、CBP-1/p300のユークロマチンでの能動的維持の両方によって調節されていることを示唆している。胚組織と幼虫組織では、この2つの経路が異なった形で関わっていて、分化した細胞ではMRG-1によるCBP-1の隔離が大きな役割を果たしている。

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