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神経科学:神経回路において知覚経験がゲノム高次構造の再構築を促し、学習と記憶を誘導する
Nature 569, 7758 doi: 10.1038/s41586-019-1190-7
ニューロン活動依存的な転写は、知覚経験を学習や記憶などの脳の適応応答と結び付けている。これまでの研究で、エピゲノムの変化をはじめとする活動依存的な遺伝子発現機構が明らかにされている。しかし、知覚経験が成体の脳においてin vivoでクロマチン構造を再構築して、神経コードの変換や、学習・記憶を誘導するのかどうかという根本的な問いについては、まだ調べられていない。今回我々は、in vivoでのカルシウム画像化法、光遺伝学、薬理学的方法を用いて、マウスでは、小脳の前葉背側虫部における顆粒ニューロンの活性化が、触覚性驚愕反射条件付けの学習パラダイムにおいて不可欠な役割を持つことを示す。注目すべきことに、トランスクリプトームとクロマチンの大規模プロファイリングから、運動学習に関連した顆粒ニューロン回路の活性化が、長距離のエンハンサー–プロモーター相互作用や転写活性化区画の相互作用を通して、ニューロンのクロマチンを再編成し、特定の顆粒ニューロンの遺伝子発現グループを制御することが明らかになった。成体マウスにおいて小脳の前葉背側虫部の顆粒ニューロンで、クロマチン構造調節因子であるコヒーシンをCRISPRにより条件的にノックアウトすると、エンハンサー–プロモーター相互作用や、活動依存的転写、運動学習が破壊された。これらの知見は、知覚経験が脳においてどのようにクロマチン構造や神経回路コード化をパターン化し、運動学習を可能にするのかを明らかにしている。

