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化学合成:第四級中心によって導かれる複雑な多環式テルペンの合成

Nature 569, 7758 doi: 10.1038/s41586-019-1179-2

任意の分子における第四級炭素中心(4つの炭素と結合した炭素)の存在は、著しい化学的影響や生物学的影響を及ぼすことがある。多くの場合、第四級中心によって、それがないと困難な化学反応が可能になり得る。例えば、第四級中心によってソープ・インゴールド効果と呼ばれる環化反応が大幅に高速化され、バイオアベイラビリティーが低い分子の薬物送達にこの効果が応用されている。同様に、薬物候補に第四級中心を付加すると、活性と代謝安定性の両方が向上する可能性がある。また第四級中心は、キラルな配位子、触媒、助剤中に存在すると、特異的で高い位置選択性、立体選択性、エナンチオ選択性に向けて反応を導く可能性がある。しかし、その特有の立体的かさ高さとコンホメーションの制約から、第四級中心を確実に形成できる化学変換はわずかである。例えば、アザジラクチン、スコパズルシン酸A、アクツミンなどの分子における隣接全炭素第四級中心、オキサ第四級中心およびアザ第四級中心の形成は特に難しく、多官能基操作や酸化還元操作だけでなく標的特異的な方法の開発が必要になることが多い。従って、第四級中心が好影響を与えて合成計画を導くことができる代替的手法の確立が望ましい。今回我々は、加速効果か阻害効果を通してそれぞれの第四級中心を意図的に利用して次の第四級中心の構築を容易にするよう合成を設計すれば、高効率かつスケーラブルなモジュール合成が可能になることを示す。我々は、この方法を、テルペンであるコニジオゲノン類を代表例に用いて説明する。今回の枠組みは、複数の第四級中心を持つ合成が同様に複雑な他の標的にも適用できる明確な計画論理をもたらす。

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