Review
分子生物学:細胞運命決定の際の転写因子と3Dゲノムコンホメーション
Nature 569, 7756 doi: 10.1038/s41586-019-1182-7
細胞がそれぞれに異なるアイデンティティーを選んで自分のものとする仕組みは、ずっと生物学者たちの関心を引き付けてきた。環境からの合図に応答して始まるシグナル伝達は転写因子の活性化を引き起こし、それが各細胞タイプに特徴的な遺伝子発現プログラムを決定する。クロマチンの3D折りたたみの研究での技術的進歩は、転写調節におけるゲノムコンホメーションの役割を明らかにしつつある。ゲノム構造が担うこのような役割の詳細な特徴を明らかにすることは、分化や発生だけでなく、発生の際の奇形やがんなどの疾患にも非常に大きな関わりを持つ。本稿では、転写とゲノムコンホメーションの間の相互作用が細胞運命決定の原動力であることを示す最近の研究について概説する。

